二子玉川は東京都が定める「環状メガロポリス構想」の「水と緑の創生リンク」上に位置するとともに、世田谷区の方針においては「広域生活拠点」として定められた地区である。駅周辺には商業施設が集積している一方で、周辺部には多摩川や国分寺崖線などの豊かな自然環境に恵まれている。当施設は二子玉川駅周辺の線状の地域に、インフラの再整備と防災機能の強化を図りつつ、商業・業務・住宅等の施設整備を行った事例である。
当開発は2期に分けて進められ、大きく6街区から構成されている。また、グランドレベルだけでなく地下連絡通路や道路横断橋によって歩車分離による安全確保と街の賑わいの創出が果たされている。特に、性格の異なる3つのストリートによって、街の一体化を図っている。中央部に位置する「リボンストリート」は駅と交通広場を結ぶ30mのガレリアを中心とする歩行者空間であり、西側の公園まで繋がるものである。
都市デザインのコンセプトは「水と緑と光」「都市から自然へ」という2つのものが設定され、周辺の豊かな風景との調和を意識しているとともに、既存の駅周辺市街地と多摩川の間に位置する地区として、「都市」から「自然」へと緩やかに変化する風景の連続性が表現されている。