従来の郊外型ではなく都心に賃貸集合住宅を開発すること、そして、家族が住まうためにnLDKではない住戸ユニットをどのように都心に作るかということをテーマに計画が進められたプロジェクトである。
敷地は6街区に分かれており、中央にS字の街路が設けられている。それに連続する2階部分のデッキに設けられた広場によって各エリアが結ばれている。デッキ部分からは各住棟にアクセスできるようになっていることで回遊性が生まれており、またデッキの下部は駐車場として利用されている。
各街区は、設計者6チームと公団により繰り返されたワークショップにより、「仕事と生活が曖昧であるような集合体」として、そこで働く人や子供のための生活を支援するための施設をつくることが目指された。中でも山本理顕が提案した1街区には、「ベーシックユニット」と言われる玄関近くに広いスペースを用意した住宅や、「スモールオフィスタイプ」と言われる「職寝一体」の住宅、「f-roomタイプ」と言われる「コモンテラス」を持つ住宅などが提案されている。