1960年、西新宿エリアに「新宿副都心計画」が定められ、淀橋浄水場を中心とした56haの都市基盤整備について「新宿副都心計画事業」が東京都により都市計画決定された。
その後、京王プラザホテルを始め、超高層ビルが次々と建設されたうえ、1991年には東京都庁が移転、西新宿は業務集積が進行した。また、この地区は世界最大級を誇る地域冷暖房システムや立体的な交通ネットワークなど、当時の最先端技術が駆使されたインフラ整備が行われている。
2010年、西新宿地区全体での取り組みによる課題解決や都市間競争力の向上を目指し、一般社団法人新宿副都心エリア環境改善委員会が発足。官民連携によるまちづくりの推進のため、新宿区と共に西新宿懇談会を立ち上げ、2014年に西新宿地区まちづくり指針を策定した。
国家戦略道路占用事業の区域として認定された新宿副都心中央通り周辺の道路、公開空地、公園を一体的に活用する社会実験「Shinjuku Share Lounge」は2015年以降開催されている。超高層ビル内のオープンスペースを活用し映画を上映するなどし、超高層ビル街区と新宿駅東西のまちが一体となった賑わいの創出を図った。
都庁
丸の内の旧都庁舎からの移転先として、1990年に完成した第一庁舎、第二庁舎、と議会議事堂からなる建物である。以前淀橋浄水場であった新宿副都心の3つの敷地を一体として、特定街区として都市計画決定している。
新宿駅西口からは地下道で結ばれ、動く歩道も整備されている。それを抜けて敷地に入ると地区の中央に広場空間が設けられ、周囲を超高層ビルに取り囲まれた都市性の高い空間となっている。ツインタワーの第一庁舎は、隣接した150mクラスに併せた下の部分から、2本に分けて上へと伸ばすことで周囲との融和を図りつつ、特徴あるスカイラインを形作っている。45階に位置する無料の展望室からは、東京を一望することができる。
新宿中央公園
かつて淀橋浄水場であった場所に1968年に整備された新宿区最大の都市公園である。都庁をはじめとする高層ビル群のなかで緑があふれ、都会のオアシスとなっている。新宿副都心エリアの歩行者デッキからのアクセスがとられ、その高低差を生かしたランドスケープデザインが行われている。
2020年に公園内に作られた「SHUKNOVA(シュクノバ)」は、カフェやスタジオなどで構成される交流施設である。新宿区がPark-PFIを用いて事業者を選定し、施設開業に合わせて芝生広場が前面に整備されている。