2012年に新宿が『特定都市再生緊急整備地域』に指定されたことをきっかけにJR新宿駅南口開発が行われた。バスタ新宿は、新宿跨線橋の老朽化、新宿駅南口の歩行空間の不足、高速バス待合場所の整備の必要性から、立体道路制度を利用した道路事業(国道20号)と民間ターミナルの官民連携で整備が進められた開発である。
バスターミナルやタクシー乗り場を集約することで一般利用者や外国人観光客にとって利便性を図った。また、この開発はJRの線路上空に約1400haの人工地盤を構築したことにも特徴が見られる。さらに、バスタ新宿は法律上、国道20号として扱われるため、民間商業施設を設けることは原則できない。そのため、業者が「公共貢献」を行うことを条件に、民間による売店運営の公募を行うことにした。
バスタ新宿では利便性向上に向けた取り組みも積極的に行われ、ETC2.0バスロケシステムや貨客混載、バリアフリー対策の他、バスタマーケットとして『道路空間を活用した賑わい創出』を目的に、地域の特産物などを販売する実証実験も行われている。また、国土交通省はこのプロジェクトをモデルに、事業スキームの見直しを行なった上で駅周辺にある高速バスやタクシーの乗降場を集約し、交通結節拠点化するバスタプロジェクトの全国展開を目指している。