「御茶ノ水ソラシティ」は日立製作所本社跡地に、「御茶ノ水ワテラス」は統廃合によって廃校となった淡路小学校跡地において実施された複合施設型の再開発で整備された。起伏の多い地形を利用した公開空地のデザインによって、御茶ノ水と淡路町をつなぐ新たな動線を生み出すと同時に、ソラシティの足元に広がる地上と地下の二層の広場「ソラシティプラザ」や淡路町側に淡路公園と一体的にデザインされた「ワテラス広場」が整備されている。近年の大規模再開発では用途混合型開発が進められる傾向にあるが、特にワテラスでは学生向け賃貸住宅(36戸)が整備されている点に大きな特徴がある。入居者は、本地域でエリアマネジメント活動を進める「一般社団法人淡路町エリアマネジメント」が指定する地域のコミュニティ活動や清掃活動などに参加・協力することを条件に、周辺相場と比較しても極めて安い月額賃料で入居が可能になる。
回遊動線の創出、広場による地域環境の向上、若者のコミュニティ活動への参画、と様々な面で地域貢献を果たしている本事例は、都心における新たな大規模開発のモデルとなっている。