豊島区は日本一の高密都市でありながら2014年に東京23区で唯一の消滅可能性年に指定された。この逆境をバネに文化政策をさらに進めるため、国際アートカルチャー都市構想が打ち出され、その基本コンセプトとして「まち全体が舞台の、誰もが主役になれる劇場都市」という目標が定められた。
池袋駅周辺にかつて位置していた公園は荒廃し、「みんなが活躍する舞台」としての役目を果たせるようなものではなかった。そこで、4つの公園の整備が進められた。
2016年に芝生とおしゃれなカフェが特徴的な南池袋公園がリニューアルオープンし、Paek-PFI(Public Finance Initiativeを公園に適用したもの)の先駆的な例として広く知られるようになった。さらに、2019年に「アニメの聖地・池袋」を発信する拠点としてHareza池袋の開発と同時に整備された中池袋公園、演劇やイベント、オーケストラにも対応した野外劇場を備える池袋西口公園がリニューアルオープンした。そして、2020年7月に「としまみどりの防災公園(愛称:イケ・サンパーク)」がオープンしたことにより、4つの公園すべての整備が完成した。そして、これら4つの公園をつなぐ新たな移動手段として電気バス「IKEBUS」が走り、池袋のまち全体の回遊性を高めている。