江東区・墨田区の江東内部河川沿いはかつて工場が多く立地しており、地下水の汲み上げにより地盤沈下が激しい地域であった。海抜0メートル以下の土地が多い周辺地区の浸水を防ぐため江東三角地帯の隅田川・荒川・東京湾に接する場所には水門と排水機場を設置し、高潮の際は水門を閉め、降雨による水位が上昇した際は排水する仕組みによって地区を守っている。大横川は水位の調整ではなく北川を堰き止めて、埋め立て+常時排水により水位を下げた状態で埋め立てられた。その事業により1993年にできた全長1800mの空間を公園としたものが大横川親水公園である。空間としては5つのゾーンに区切られていて、人工の小川であるじゃぶじゃぶ池や釣り堀、イベント広場、スポーツ広場などが整備されている。公園の南側は大横川と接続しており、さらに南下すると仙台堀川親水公園と直交するというように緑と水の歩行者ネットワークがエリア全体に広がっている。魅力ある空間構成である一方で剪定されていない街路樹により周辺地区との断絶感があり、特に夜の安全性については課題である。東京湾周辺や隅田川周辺では舟運の観光化や水辺の魅力あるまちづくりが実践されているためそれらと連携したより魅力的な空間となることに期待したい。