034高島平団地

建築+グラウンド コミュニティ 1960-70年代

1972年、東京都板橋区に住宅公団によってつくられた8287戸の賃貸住宅と1883戸の分譲住宅を持つマンモス住宅団地。もともと約11万坪もの非建ぺい地であったところを、区画整理事業により数年で開発を行った。高層棟(11~14階)が38棟、中層棟(5階)が26棟と、当時としては高層の集合住宅が高密に配置されている。建設当初は都心に近い好立地であることから、入居応募が殺到するなど、新しいライフスタイルとして象徴的な存在であった。その結果、子育て世帯が多く移り住み、活力に溢れていたが、現在では建設から長い期間が経過し、住民の高齢化や団地周辺に整備された公共・公益施設等の老朽化が問題となっている。

そうした現状に対して様々な取り組みが行われている。当団地に隣接する大東文化大学では、大学が借り上げた住戸に学生が住み、学生はボランティア活動で地域に貢献し、大学は家賃を補助するという仕組みのもとで「高島平再生プロジェクト」を行っている。

UR都市機構(旧住宅公団)は再編計画のなかで当団地をストック活用タイプとして位置づけ、無印良品と協働して住戸のリノベーションを行う「MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト」や、既存の住棟を活用した医療福祉機能の充実を図る地域医療福祉拠点化に取り組んでいる。

高度経済成長期に大量供給された団地が50年たち、これからどう次の世代に引き継いで使いこなしていくのか注目される。

完成年 1972
所在地 東京都板橋区高島平
敷地面積 36.5ha
延床面積 -
計画・設計 都市再生機構
管理・運営 -
掲載雑誌 -