029ののあおやま

建築+グラウンド 自然・環境 コミュニティ 2020年代

表参道駅周辺の好立地にある広大な都有地にて、1957年より建設された25棟、600戸からなる都営団地、青山北町アパートが老朽化したことから高層・集約化して建て替える第1期・第2期(事業者公募による民活事業)、第3期(青山通り沿道と共に再開発を進める敷地)にわたる4haの再開発事業である。マスタープランでは、隣接する市街地環境に配慮した配棟とし、住宅・公共施設・業務・商業のミクストユースで青山に集う多様な人々が活用することを目指している。敷地に広がる森はワークショップを重ねて、光合成を最大化する階層構造を地形や日陰のシミュレーションにより導いており、100年後を見据え人間と自然が共生できる場を目指している。エリアマネジメントの観点では、2002年より「青山まちづくり協議会」が活動しており、開発後の森の管理を担う事務所を設置している。また、開発主体等により立ち上げられた「一般社団法人まちづくりののあおやま」が広場での企画を行っている。広場や森の管理・運営を使い手と協働しながら維持していくことができれば、子供の遊び場、近所の住民の散歩道というような多様な活動が日常の景色を100年後まで地域の魅力として残し続ける場になるだろう。

完成年 2020
所在地 東京都港区北青山3-4-3
敷地面積 7,895㎡
延床面積 34,821㎡
計画・設計 KAJIMA DESIGN、隈研吾建築都市設計事務所、ランドスケープ・プラス
管理・運営 青山共創、東京建物、三井不動産、三井不動産レジデンシャル
掲載雑誌 新建築2021年2月号