渋谷駅北側、線路と明治通りに挟まれた「MIYASHITA PARK」は、その線状の形態から渋谷の中でも特異な存在感を発揮している。
この公園はこれまで多くの転換点に面してきた。1953年に宮下公園が開園するが、時代のモータリゼーションを受け1966年に下層に駐車場を併設し公園は屋上に。東京初の空中庭園と謳われた。2006年にはナイキが改修・維持管理を担当する形でフットサルコートが付け加えられている。
そんな宮下公園も、老朽化・動線の不備といった問題に差し迫る。そして公募プロポーザルのもと、三井不動産をパートナーとしたPPP事業が認定され、2020年に「MIYASHITA PARK」が誕生した。立体都市公園制度を利用して地下に駐車場、1〜3階に商業施設、屋上に公園という構成になっている。南側の1階には飲み屋街「渋谷横丁」が、公園北側にホテルが設けられるなど、公園以外の機能が付随した複合施設として生まれ変わった。敷地南側は駐輪場であった土地を通路にし、渋谷駅からのアクセスも大幅に改善している。
立体都市公園制度、PPP事業といった都市成熟時代ならではの制度が詰め込まれており、渋谷を代表する注目プロジェクトとなっている。