2004年、国立市は美しい景観を未来へ継承するために国立駅南口ロータリーから江戸街道までの車道、歩道及び緑地帯の大学通りを都市景観形成重点地区に指定した。重点地区景観形成計画では、「市民一人ひとりが事業者や行政と一体となって、大学通りの並木や植栽を維持・保全し、緑と調和した、優れた街並みを創出することにより、緑豊かで国立らしい魅力にあふれる大学通りの景観を、守り、育て、つくりながら次世代に引き継いでいくこと」を目的としており、市民や、事業者、行政が協議しあうことができるしくみとして、景観マネージメントが設定されている。
国立大学通りは、商業、大学、住宅と機能がゾーンごとに区切られており、多様な人々が利用するストリートである。そのため多様な人々の考えや価値の合意形成によって大学通りの景観や快適な暮らしが守られる必要があり、重点地区景観形成計画で言及されている「自然、人、物の調和」が、国立での暮らしの美と質を高める重要なキーワードであると考えられる。
沿道の緑地帯、特に春の桜並木は国立のシンボル的景観で、その景観や沿道に賑わいを与えている商業施設、文教施設等は周辺に通う学生や、市民にとってやすらぎ、そして美しい思い出を与える空間となっているだろう。