021三菱一号館(丸の内パークビルディング)

建築+グラウンド 歴史・文脈 シンボル 2000年代

三菱一号館は、丸の内のオフィス街建設の先駆けとなったオフィス建築であり、ジョサイア・コンドルによって設計された。その後、大正時代に完成した丸の内のオフィス街は戦後更新され、三菱一号館も1968年に姿を消した。
しかし、2004年、三菱一号館の存在していた街区の建て替えに伴い、近代都市の歴史の発信する意義があるとされ、復元されることになった。
当時の建物を忠実に復元するため、法規、安全性、バリアフリー、活用のための最小限のものを除き、保存部材や同種の新材を使用し、それができないものに関しては、意匠的に近似したもので代替された。
街区全体は、都市再生特別特区の指定を受けた大規模複合施設として、丸の内パークビルディング(タワー棟・アネックス棟)、三菱一号館、ブリックスクエアからなる。従来、歴史的建築物を含む開発では、歴史的建築物と他の部分を対比させるデザインが多く見られるが、この街区では調和を前提として街区全体の機能・技術・デザインが多様なインターフェースを構築し、全体として「融合」して成り立っている。
そんな新旧の意匠が融合した街区の真ん中には魅力的な広場空間があり、談笑する人々や飲食を楽しむ人々の賑わいに溢れている。

完成年 2009
所在地 東京都千代田区丸の内2-6-12
敷地面積 11931㎡
延床面積 204729㎡
計画・設計 三菱地所設計
管理・運営 三菱地所
掲載雑誌 新建築2009年10月号